□悲願花
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†悲願花†



「今日は月が綺麗でござるな、蝙」



蝙蝠の隣に寝転がった錆白兵は、開け放った障子から楽しそうに月を眺める。



「あーそうだな。それよりさぁ」



一方錆白兵の隣に座る蝙蝠は、眠そうな顔で言葉を紡ぐ。



「何でござるか?」



楽しそうな錆白兵。
その笑顔を見やりながら蝙蝠は聞いた。



「何で錆が此処に居ちゃう訳?一応此処、真庭忍軍の里なんだけど?」



その言葉に錆白兵はやはり笑顔で答える。



「愛に不可能は無いでござる!」


「ふーん。真面目に返事しろよ」



冷めた表情の蝙蝠。
それとは逆に錆白兵は熱のこもった表情でまくし立てる。



「何を言うでござるか蝙!拙者、本気も本気、大真面目でござる!」


「で、何でこんな明け方近くに来る訳よ。眠いっつうの」


錆白兵の台詞のほとんどを聞き流し、蝙蝠は淡々と質問を重ねる。
錆白兵も蝙蝠の態度を気にした様子も無く、というか寧ろ嬉しそうに答える。
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