ショートストーリー

□バレンタイン
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朝教室に行けば、やっぱり花が飾ってあって
教室には一人、彼女が座っていた。
俺が来たのに気がついたのか、振り向いて
「おはよう」
そう小さな声で挨拶をくれた。
「おはよ」
そういって、俺は彼女に近づく。
「……?」
彼女は首を傾げながら俺の様子をうかがっている。
「あのさ…放課後、時間ある?」
そう俺は話しかけた。
その問いに驚いた顔をするも
「大丈夫だけど…」
と答えてくれた。
「そっか、良かった。
話があるから残っててほしいんだけど」
「…うん」
そう不思議そうな顔をする彼女だけど、了承してくれた。
俺はその返事を聞いて、席に着いた。
数分すると、続々とクラスメイトが登校してきて、
チョコだのお菓子だのを交換したりしている。
それをぼーっと見ていると、
急に女子の集団がやってきて俺は沢山チョコをもらった。
「ありがと…」
と言えばそれだけで、かわいいと女子から悲鳴が上がる。
それに苦笑しつつ、お礼をいいつつというのが授業中以外続いた。
さすがに放課後はそういう事はなく助かったが。
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