碧の言霊

□始まりの朝
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無口で大人しくて、暗いイメージ。
それが彼女が持たれる印象。
けれどそれは両親を亡くして、
笑うことも泣くことも忘れてしまったから。
他人とふれあって別れる時に傷つかぬように、自分の殻に閉じこもったから。
本当の彼女は違う。
けれど、それを知らない人たちはそうは思わない。
都会という他人を無視した場所。
そんな学校では、人の奥まで見て物を言ったりしない。
だからそんな学校に通う彼女はいじめの対象になった。
誰一人守ってくれる人もいなく、誰一人相談できる人もいない。
そんな中で彼女は毎日戦っていた。
いじめから、悲しみから、辛いことから逃げもせず。
”いじめだって、気にしなければきっと飽きるはず”
そう思って、毎日学校へ通っていた。
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