気持ち〜Heat〜

□エピローグ
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「剣士ユウリよ、よく勝ってくれた。
今宵はパーティーを楽しみ、
ゆっくりと疲れをとってくれ。」
「ありがとうございます。王様」
そう言ってユウリはパーティーに参加した。
「皆も今宵は盛大に楽しんでくれたまえ。」
その王の言葉に
会場は大いに盛り上がった。
ユウリはといえば、
早々に食事を済ませて
パーティーの輪から外れて、
一人夜風にあたるのだった。
一人の時をどれくらい過ごしたのか、
ふと背後に人の気配を感じたユウリは
後ろを振り向くと、
そこにはイヨリがいたのだった。
「おめでとう、ユウリさま。
それから、ありがとう。」
「お礼を言われることは、多分してないけど?剣士だし。
それにさ、あれは俺の戦いでもあったから。」
「それでも。ありがとう、ユウリさま」
そう笑顔を向けるのだった。
「あの、ユウリさま?
お話って何だったのですか?」
「あ・・」
ユウリはためらった。
本当に言ってしまってもいい気持ちなのかどうかと。
だが、迷うのはやめにしたのだ。
なるようになるだろう。
それが人の生きて行く中での流れなのだから。
「イヨリ姫様、あなたは心を許せる人と過ごしたいと言いました。
・・もし、もしも俺がその人になれるのなら。
俺と一緒にいてくれないでしょうか。
イヨリ・・ずっと隣にいて、いつもの笑顔を俺に向けてくれないか?」
改まって、
ユウリはイヨリ姫に・・イヨリに告白した。
イヨリは顔が赤くなるのを感じた。
と、同時に
暗くてよかったなんて少し安心したり、
嬉しくてしょうがなかったりと
いい面で複雑な気持ちだった。
「ユウリさま。
私、ユウリさまとなら幸せになれると思うの。
だから・・ありがとう、ユウリさま」
そして満面の笑みをユウリに向けた。
「でも、お父様は許してくれるかな?」
ちょっと不安そうなイヨリ。
でも、その答えが嬉しすぎて
そんなことを気にしていられないユウリは
嬉しさを隠せずに、イヨリを抱きしめ、
「どんな事があっても、幸せにする。
絶対に離したりしないから」
そうイヨリに告げるのだった。
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