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□文化祭シーズン
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麗菜が話してくれるようになって半月以上経ったころ。
「よっ」
そう言って図書室のドアを開けると、すでに葵も麗菜もいた。
「遅いよ、副会長。麗菜が待ちくたびれてるよ〜」
とからかうと、
「葵っ!?・・私は・・その別に・・//」
と俯いてしまう麗菜。
「悪い悪い。委員会の仕事があってさ」
「そうだよねぇ。副会長だもんね〜」
いかにも失念してたとでも言うような調子で葵は言う。
「おいおい・・副会長って読んでるくせに・・」
とぼやくと
「私はちゃんと覚えてたよ?」
と小声で麗菜が言う。
「あ、いや。・・ありがとう。」
そう言う問題ではないと少し感じながらもお礼を言う。
「ねぇねぇ、副会長?仕事って、もうすぐ文化祭だから?」
と葵が聞いてくる。
「そっ。文化祭が近づくと、生徒会は大忙しでさ。」
「大変だよねぇ。」
「あぁ、だからしばらく来れなくなるかもしれないな・・」
「それ残念」
とちょっとおどけたように葵が言う。
麗菜は少し落ち込んだように
「そうなんだ・・頑張ってね?」
と言ってくれた。
「あぁ。ありがとうな」
そう言って、俺は微笑んだ。
麗菜が口数は少ない物の、普通に会話をしてくれるようになったから。
それが嬉しかったのだ。
と、唐突に葵に呼ばれた。
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