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□変化の時
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「麗菜?」
一言も話さない麗菜を不思議に思ったのか、心配そうに紘が麗菜に声をかけてきた。
首を傾げて紘を見る麗菜。
「平気か?」
と、なおも心配そうに麗菜を見てくる紘。
そこで麗菜は
「平気、だよ?」
そう答えた。
「そうか」
そう言って、紘は笑った。
そして麗菜の隣に腰を下ろした。
「紘、くん?…お昼は?」
お弁当を持っていない紘に麗菜は問いかけた。
「あー、教室だ」
と苦笑して、
「でも戻ったら麗菜と話せないしな」
”いいや”そういって笑った。
「おなか、すくでしょ?」
そう聞いてみる麗菜。
「そりゃあまあ…」
と紘が言うので、麗菜は紘に自分のおにぎりを差し出した。
「あのね、いつも残しちゃうから…あげる。」
「そっか、ありがとな。助かる」
そういって紘は麗菜からおにぎりを受け取って微笑んだ。
「ああもう!ラブラブすぎる!!」
と、そんな二人の様子を見ていた葵がそういった。
そんな葵の言葉に麗菜は顔を赤くした。
「え//」
「いいだろ?恋人どうしなんだから」
と紘は言う。
その言葉に更に顔を赤くする麗菜。
「副会長、さっそく惚気なの?」
「葵がいつもやってる事だろ…」
と紘は言い返してみる。
「ふん、それもそうね?」
と、そこで何を思ったか葵がお弁当を片付け始めた。
「葵?」
麗菜は顔の赤いまま問いかける。
「邪魔者は自分の彼の所に行ってくるわ!」
そういって、止める間もなく葵は校舎に戻って行った。
「…悪い、俺のせいかもな」
「え、と…違うと思う。」
と、少しの間二人の間に沈黙がおりた。
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