小説「黒白のトライネクロ」


□第1章「世界ノ終末」
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第5話★「非力な強さ」

「俺の求める…強さ……だと…?」

この男がか?
いや、男とさえ分からない。もはや、人間なのかさえ…。

「この子の名はAris-アリス-。私が2番目に造った、死神だよ。」


死神?

死神って、あの死神?
人間の魂を狩るって云う……

「まぁ、そんなモノだ。しかし、人間が思っている死神とはちょっと違うがね。」

チッ、お前も読心術師か…

「ったくどいつもこいつも……!」

「お前には、強くなってもらわなければならん。その為に、これを造った。」

すると、死神が前へ出た。
……こういう趣味なのか?
翠色の肌(?)に、赤いグルグル巻きの目みたいなものが付いていて、黒い革のズボンを穿いている。

「後は、ニコが死神の使い方を教えてくれるだろう。」

そう言うと、テテラは門の向こうに消えて行った。

と、おもうと、
今度は死神の横にレンと同じ位の歳の男が立っていた。

黒尽くめの黒い帽子。オレンジ色の髪の毛に、朱い目をしている。
が、レンよりちょっと違う位だけだが小柄で、生意気な感じの雰囲気だ。

「ふぅん、こいつが……弱そうだねぇ。名前はなんだ?」

「レ、レン・クロムウェルだ(ムカツク…!)。」

「………クロムウェル?クロムウェルだと?お前、親父の名前はなんだ?」

「ん?親父の名前…?」

名前


名前

名前

たしか………

「ゼーペ、ゼーペ・クロムウェルだ…。」

正直、親父との記憶は…あまりない……。

「そうかぁ!お前も苦労したんだなぁ!」

苦労した?何のことだ、もしかして、3年前の事を、知ってんのか……?

「そんなことより、アリスの使い方だ!それを教えに来たんだ俺は」


いいか?

アリスは死神。

死神とは
その人間が、欲するものを一つ叶えるが、その代償として、死神に、何かを捧げなければならないが、その代償を決めるのは死神。

死神の契約者には、死の呪いがかかる。

死の呪いを解くには、
契約した死神を
殺すこと。

ただし、死神は強い。ただし殺されはしない。
死神は、契約者が死んでしまうと、魂が繋がっているので、死神も死んでしまう。

死神が喋った。
「望ミヲ述ベヨ」

俺は迷わない。
「強く、なりたい!」
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