小説「黒白のトライネクロ」
□第1章「世界ノ終末」
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第3話★「苦悩と決意」
あれから三年後―――
俺は強くなった。だれよりも
そして、その日を迎えた。
この道場の卒業条件は、師匠を倒すこと。
レンは決意と覚悟を拳にこめて、勇ましく構えた。
「手加減は、せんぞ?」
二人が同時に動いた。
が
勝負は一瞬だった。
ヨボヨボの爺は、畳に勢いよく倒れこんだ。
ドサッ!
「アンタは俺より弱い。本当なら殺しているとこだが、一応師匠なんでな」
これが…レン…?
3年前のあのチビッコとは、全くの別人だった。
「自分を過信しすぎじゃよ……レン…お前はまだまだ弱い……」
「違う!俺はこの世界で最強だ!!」
「この世界ではな……だが、[向こう]ではどうがな…?」
「向こう?あっちの世界のことか!?クソ野郎が!俺は最強だ。それは変わらねぇ」
レンは道場を出た。
生まれ変わった気がずる……
誰にも負ける気がしない……!!
そのとき、レンは結構な有名人だった。
強い者を探し回り見つけては殺す
という悪行を繰り返していた。
もう飽きた……皆弱すぎる。
![](http://id45.fm-p.jp/data/112/lencromwell/pub/14.gif)
もっと強くならないと、強く。
「向こうの世界……」
向こうの世界には俺よりも強い奴がいるってのか。
もしかしたら、あの男も向こうに行ったかもしれない。
この三年間、男の行方を調べていたが、何も情報は掴めなかった。
ということは、アイツが逃げた場所は、一つしかない。
向こうの世界
俄然行きたくなった。
待っていろ。