小説「黒白のトライネクロ」
□第1章「世界ノ終末」
2ページ/6ページ
第2話★「修練」
レンは、家にあった物を出来るだけ持って、荒野を歩き出した。
昔、お父さんが持ってた本に書いてあったんだ。
この世界には、「もう一つの世界」に行く入り口が在るそうだ。
この何も無い世界。頼るのはその場所だけ。
きっとあの男も「もう一つの世界」に逃げたに違いない。
どれだけ遠いかわからない。けど行く。決めたから。
一晩経って、レンは思った。
「僕以外に、人間はいないのだろうか……」
次の日、レンは本に書いてあった入り口の場所に向かいつつも、
他の人間を探していた。
10kmは歩いた。食糧は持つだろうか。
遠くに、黒い固まりが見えた。
走って近づくレン。それは、一つの集落だった。
「この」世界の人間は、滅亡してはいなかった。
レンの心に希望が戻りつつあった。
このまま、いろんな集落を転々としていけば、食糧は大丈夫だろう……
とにかく、強くなければ、向こうの世界で、ましてやこの世界で生きていけるわけがない
強くならなければ、強くなるんだ、兄さんより強く。
1ヶ月後
僕、11歳。
今、エドラと言う大きな村にいる、武術の達人に弟子入りを申し込もうとするところです
「お願いします!弟子にしてくださ〜い!」
「ダメーッ!わしの武術はこんなクソガキに習得出来るほど墜ちてはおらーん!!」
えーーーっ!?一発OKだと思ったのに!この老いぼれ!ヨボヨボじじぃ!
見た目だけで決め付けやがって!俺は元々兄さんに武術を教わってたんだ!
そこそこ強いぜ!それをガキだからって……ふっっざけんな!!
「だーれがヨボヨボじゃ!わしゃまだピンピンしとるわい!
それに、少々かじっているからといって、調子に乗るでない!未熟者め!」
「え?なんで?僕は心の中で思っただけなのに、超能力?」
この人、人の心が読めるのか。
「フォッフォッフォッ。まぁ訓練を積めば、こんなことも出来るのじゃ」
嘘つけ。こんな能力じいちゃんだけだろ。
「まぁこの技は覚えなくとも、わしの弟子になってくれたら、人類最強を約束しよう。
どうじゃ、弟子になってみんか?」
って、おい。