小説「黒白のトライネクロ」


□第1章「世界ノ終末」
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第1話★「世界の終末」

寒い…………此処は何処だ………俺…は……いったい………・・・・・・・・





何故かそこは、自分の家。

…家の中は…………血だらけ………何故……?

「お父さん。お母さん。何処にいるの?」

少年は両親を呼ぶ。

返事は無い。

まさか…この血は……そんな………

少年の心は、悲しみに染まっていた。

寝室の方から、音がする。

そこには、見るも無残な、両親の姿が。

引き裂かれている体からは、おびただしい程の血が溢れ出している。

「お父さん!!お母さん!!」

かすかな息さえも聞こえない……もう完全に死んでいる。

と、一人の男が立っていた。



「…誰……?」

男は、少年に気づくと、外へ逃げていった。

少年が走って追いかけて、自分も外に出てみると―――



「――――――ナンダ【コレ】ハ!!!???」



外には、何も無かった。

草木、水、家、雲、人も何も無い。

砂地が永遠に続き、真っ暗な空、あるのはこの家だけ。

何千kmも見渡せる大地なのに、男の姿は何処にも無い。

少年はしばらく唖然として、突っ立っていただけだったが、

そのうちに、心に、悲しみとともに、何かが湧いてきた―――


復讐心


「許さない。あの男だけは、絶対に許さない。探し出して、復讐してやる。
殺してやる――――。」

少年は、決意した。

探し出す。復讐してやる。でもどうやって探す。


そうだ

あの男の

左手は

黒く染まっていた。


絶対に探し出す


絶対に許さない


絶対に
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