小説「黒白のトライネクロ」
□第1章「世界ノ終末」
1ページ/6ページ
第1話★「世界の終末」
寒い…………此処は何処だ………俺…は……いったい………・・・・・・・・
何故かそこは、自分の家。
…家の中は…………血だらけ………何故……?
「お父さん。お母さん。何処にいるの?」
少年は両親を呼ぶ。
返事は無い。
まさか…この血は……そんな………
少年の心は、悲しみに染まっていた。
寝室の方から、音がする。
そこには、見るも無残な、両親の姿が。
引き裂かれている体からは、おびただしい程の血が溢れ出している。
「お父さん!!お母さん!!」
かすかな息さえも聞こえない……もう完全に死んでいる。
と、一人の男が立っていた。
![](http://id45.fm-p.jp/data/112/lencromwell/pub/13.gif)
「…誰……?」
男は、少年に気づくと、外へ逃げていった。
少年が走って追いかけて、自分も外に出てみると―――
「――――――ナンダ【コレ】ハ!!!???」
外には、何も無かった。
草木、水、家、雲、人も何も無い。
砂地が永遠に続き、真っ暗な空、あるのはこの家だけ。
何千kmも見渡せる大地なのに、男の姿は何処にも無い。
少年はしばらく唖然として、突っ立っていただけだったが、
そのうちに、心に、悲しみとともに、何かが湧いてきた―――
復讐心
「許さない。あの男だけは、絶対に許さない。探し出して、復讐してやる。
殺してやる――――。」
少年は、決意した。
探し出す。復讐してやる。でもどうやって探す。
そうだ
あの男の
左手は
黒く染まっていた。
絶対に探し出す
絶対に許さない
絶対に