書棚～王子様②～
□＝ The hottest place in the world ＝
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「ぅへーっ……こう暑くちゃ、外に出るのも億劫になっちまうなー」
「夏、大好きじゃなかったっけ？」
「俺の体内温度計は今は冬設定なんだよ」
「ふーん…まだまだだね」
「にゃろっ…」
「コート、空いたよ」
「おーしっ、テニスで思いっきり可愛がってやる」
「…暑いとか言っておきながら、自分で燃えてんじゃん」
「ぁ？何か言ったか？」
「別に。サーブ行くよっ」
「よし来いっっ」
全豪オープン予選を３日後に控え、俺とリョーマは会場となるメルボルンパークの予備コートで身体を慣らしていた。
日本の寒い冬とは正反対の気候だ、寒さ知らずのＬＡに慣れたとは言え急激な温度変化は身体に堪える。
数回経験しているリョーマは流石と言うか、華奢な身体で暑さに耐える術を知っているようで。
この灼熱の太陽の下、多少の汗をかきながらも、リョーマらしい涼しい顔をしていた。
＝ The hottest place in the world ＝