書棚〜種運命B〜

□無敵な兄貴
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一目惚れ…まさにそんな出逢いだった。

「キラくんだよ。今日からお前たちのお兄さんだ」

再婚したばかりの実父さんに紹介されたのは、ミルクチョコレートを思わせる髪がサラサラと春風に揺れる少女…否、少年。
俺より少し位置が高い瞳は引き込まれそうに深い紫色で、整った長い睫は緊張のせいか僅かに震えていて。
まだ6歳のガキに「オレが守らなきゃ」と思わせるに充分な儚さを漂わせていた。

「…キラ…おにぃちゃん…?」

マユの細い声が呼ぶと、一瞬、アメジストが揺れて。

「うんっ。よろしくね、シンくん、マユちゃん」
 
 
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