書棚〜王子様A〜

□= The hottest place in the world =
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「調子好いみたいだな、リョーマ」
「武もね」

2時間ほど軽く流した後、ランチも兼ねた休憩の為にとコートの傍に在るカフェに入った。
汗を流した後のメシは、やっぱり旨ぇなぁ。

「当然だろ、リョーマ相手に恰好悪い姿なんか見せられねーからな」
「ふーん…結構、恰好つけたがりだったんだ」
「リョーマだって、恰好悪いより恰好好い旦那の方が良いだろ?」
「旦那って…」

ドリンクのストローを咥えたまま、最近お約束になってきた呆れ顔でリョーマが俺を見上げる。
公共の場で、そんな可愛い表情するんじゃねぇ(苦笑)

「ぉっと、可愛い顔にケチャップは似合わないぜ?」
「ぇ?ぁっ…」

手を伸ばして口元を指で拭ってやると、リョーマも紙ナプキンで念入りに拭き取った。

「もー、外でそんな事…」

そう言いかけたリョーマの後ろから、

「相変わらず仲良しだね、お二人さん」

ニコニコと、温和な笑顔が覗いた。

「不二先輩、部長っ。お疲れ様っスっ」
「ぁ…ども」
「外では慎めと言っているだろう。日本からも大勢マスコミが来ているんだぞ」
「ぁっ、すみません…」

手塚部長も相変わらずと言うか…ま、俺が悪いんだけどよ(苦笑)

「ここ座っても良いかな?僕たちも、これからランチなんだ」
「もちろんっスよ。座って下さい」
「ありがとう」
「すまないな」
「けど、部長たちも仲良いっスよねー。会う度いつも一緒じゃないっスかぁ。記者会見の時もっスよねぇ」
「二人には負けるよ。でも喧嘩はした事は無いかな。ね、手塚?」
「あぁ、そうだな」

喧嘩しないと言うよりは、不二先輩の『かかあ天下(?)』な気がしないでも無い…

「どうせ、不二先輩が上手く丸め込んでるんでしょ?」

って、おい(汗)
俺には口が裂けても言えねー事を、リョーマはズバズバと言ってしまう。
まぁ、不二先輩もリョーマには甘いからな(苦笑)

「ふふ、言ってくれるね越前。そう言う越前はどうなの?」
「俺?別に、丸め込んだりしてないっスよ」
「そうなんだ。桃が優しいから必要が無いのかな」
「どっちかって言うと、俺の方が丸め込まれてる気はするけど。ねぇ、武?」
「えっ、俺かよ(汗)」

俺がリョーマを丸め込めるワケ…あるな。
どっちかっつーと力技で押さえ込む、の方が正解だ(苦笑)

「曲者はプライベートでも健在って事だね」
「ま、そんなトコっス」
「お前なぁ…」

立場が似ているせいか、この二人は何かにつけて息が合う。
そして最終的には、俺が悪者になるんだよなぁ。
まったく、どっちが曲者なんだか(苦笑)

「そうだ、久しぶりに4人で飲まない?」
「ぇ??」

突然の不二先輩の申し出に、リョーマと二人、顔を見合わせる。

「USの時も日本でもゆっくりできなかったじゃない?ファイナルの夜、僕の部屋でどうかな」
「不二先輩の部屋っスか??」
「うん、色々と深い話もしたいし」
「そーっスね。今回はファイナルの後も2〜3日はこっちに居るし…良いよな、リョーマ?」
「んー…武ひとりで行かせたら何言われるかわかんないし」
「あのなぁ(汗)」
「じゃぁ決まりだね。夕食も兼ねてルームサービスを取るつもりだから、6時半ぐらいに良いかな?」
「了解っス」
「うぃス」
「楽しみにしてるね」

その後、ランチを終えた俺とリョーマは先に席を立ち、再び練習で賑わうコートに戻った。



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