<新>本編

□†第T章――蒼天の出会い――
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「…あそこ…モンスターの群れが出来てませんか?」
「え…?」
イクエが示す方向を、シュリもまたじっくりと目を凝らして見つめる。
――確かに。イクエが示した方向に、何か、モンスターの集まりが出来ているようだった。
何故あそこにだけモンスターが集まっているのだろう?


「…ちょっと行ってみない?もしかしたら人が襲われているかもしれないし」
「そうですね」
「判りました〜」

シュリの提案に、クライムとイクエが肯定の返事を返す。
2人の返事を聞いてから、シュリが先頭になり草むらの中を歩き出した。
イクエが示した方向に向かい、慎重に、だが確実に進んでいく。

やがて茂みを抜けると、
目の前で――少年がモンスターに襲われていた。

「っ――ファグト・ウィンディ!」

咄嗟に思いついた魔術を魔物にぶつける。
すると、魔物の興味がこちらに磨れたようだった。
こちらに向かい牙をむくモンスターの大群に、シュリが苦笑する。
――背後に居るイクエとクライムは、既に戦う準備が出来ているようだ。
目で2人に合図を送ってから、3人は魔物に向かい攻撃を開始した。

イクエが後衛援護しか出来ないのに対し、クライムは前衛でしか動けない。
そんな2人をカバーする様に、中衛であるシュリが上手く敵の興味をひきつけ、そして倒していく。
そんな姿を――襲われていた少年が呆然と見ていた。





やがて魔物を全て討伐してから、
シュリが、呆然とする少年に近付く。
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