<新>本編
□†第T章――蒼天の出会い――
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「――あのっ」
街の出口まで来たところで、彼女がまじまじとした表情で問う。
「どうかした?」
シュリとクライムは、笑顔で彼女に問った。
――イクエがこういう性格なのは、2人ともこの数時間で判りきっている。
「あのっ……よければ……その……えっと」
彼女は、必死に何かを言おうとするが。
――実は、2人には何を言おうとしているか。薄々わかっていた。
クライムとシュリは、にっこりと笑い。
そして――彼女に問う。
「この先も、一緒に行こう。」
「…でしょ?」
にたにたとした笑顔で。
2人は、イクエの顔を覗きこみながら。問いかける。
「……」
彼女は、顔を真っ赤にして頷いた。
――彼女の魔術の能力は、
超人である‘賢者’に値するものだった。
そんな彼女の傍にいれば、自分も魔術が少しは上手くなるかもしれない。