<新>本編

□†第T章――蒼天の出会い――
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もう泣かないよ。
――君の為に。


【T章 蒼天の出会い】 ―― 3話 「視界の向こう」

刃音と、戦闘は続く。
振り上げた剣には、確かな手ごたえがあった。
維管束の切れる音。
それと同時に、プランターの一体が悲鳴を上げる。

いける。
そう確信した。

「イクエ――!!」

今度こそ、彼女に留めをさしてもらおうと、シュリは甲高くイクエの名を呼ぶ。…が。

「あははー……。」
彼女はそう言って、苦笑の声を返した。
――嫌な予感が胸を横切る。
咄嗟に後ろを振り向いた。

そして。――深く溜息を吐く。


「…あんたって子は……っ」

「――?」

その言葉に、クライムがそれを不思議そうに見つめながら後ろを振り返った。










「……あ、ぁ…」

後ろを確認して。
クライムも納得した顔で、渾身の力で苦笑した。













――背後に広がっていた風景。
それは、
イクエの背後に居たプランターが、彼女の詠唱を、妨げていた。

シュリは、大きく大地を蹴った。
――目指すは、先程自分が剣を浴びせたモンスター。‘プランター’。

シュリが走り始めるのと、ほぼ同時に。
クライムは目の前に向かって、走っていく。


彼女は、先程のプランターにもう一度、フィアリー・マーズをぶつけた。
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