一道の君

□序幕
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――ある邸の最奥。

“借体”しか使えない彼女は、普段その家では暇な身。

しかし、星を見上げていたその人影は、つと目を細めて身を翻した。

回廊ですれ違った邸の主に、一言。


「――璃桜、私は少し外で遊んでくる」


彼は珍しく、一瞬驚いたそぶりを見せてから、御随意に、と優雅に頭を下げた。



――星の示すは、王族の赤子の死。



「……人など、嫌いなんだがな」



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