――ある邸の最奥。“借体”しか使えない彼女は、普段その家では暇な身。しかし、星を見上げていたその人影は、つと目を細めて身を翻した。回廊ですれ違った邸の主に、一言。「――璃桜、私は少し外で遊んでくる」彼は珍しく、一瞬驚いたそぶりを見せてから、御随意に、と優雅に頭を下げた。――星の示すは、王族の赤子の死。「……人など、嫌いなんだがな」