イクシオン。それは伝説史上最初の専属殺人者

□Psychological Maze
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「どうして人の世界から戦争は消えないんだろう…」



過ちを繰り返す、愚かな種族



《 ブックマンとは何か 》
《 ブックマンはどうあるべきか 》
《 今一度問う 》






Psychological Maze
(心理的迷路)5






「ライラ、気分はどう??」



「大丈夫です。リナリーさん」



「リナリーでいいわ」



リナリーさんは笑いました
あたしは苦笑いを浮かべました



「ところで、兄さんが呼んでるの。今いい??」



「はい」



リナリーさんは笑いました
それはそれは、悲しそうに

悲しそうにさせているのは私
私はそれが、凄く心苦しくて、自分が情けなく思う
そして、そんなリナリーさんを見る度に、あの人を、赤髪のあの人を思い出すの
あの人、本当に痛そうな顔してたのよ
それと同時に、私の心も痛かったのよ

どうして??

何も思い出せないのに

どうして??















ライラ

ライラ

ライラ…



どうしてさ?
やっと会えたのに…
こんなことって。

こんなことって…

あんまりさぁ…



『未熟者め。情に絆されおって』



ライラを教団に連れて帰った後、俺はじじいにメッチャ怒られた
傷心の俺に2時間も

ヒデェヒデェ
仕方ねぇけどな



『お前はブックマン後継者であり、エクソシストではないということを、しかと心に刻め!!』



刻んでいたつもりだったさ…




“ブックマンとは何か”



(また、“俺”が、問い掛けてくる)



ブックマンとは、世界を渡り歩き、歴史を追い続けていく者



“ブックマンはどうあるべきか”



情を移さず、情に流されず、様々な人と言葉をかわし、そして何事もなかったように去っていく



何のために?



(何のために?)



歴史を綴るために



(何故そんなことする?)



人間は愚かで、争いをやめない。
そして、勝った者は、都合の悪い歴史を隠蔽する。

こうして、真実が埋もれていくのを防ぐため、真実とともに埋もれてしまう人々の、嘆きと悲しみを受け継ぐため。
ブックマンは歴史を綴る



(…人間は…、愚かな種族さ…)



そうさ。

人間は愚かで、強欲で身勝手な生き物さ



(そうさ。
思い出したさ。
俺は人間が大嫌いさ)



突然、教団内に警報が鳴り響く



“教団内にアクマ侵入
エクソシストは直ちに応戦せよ”





どうして、世界から戦争は消えないんだろう?

どうして、ブックマンが存在するんだろう?



──全ては、人間という愚かな種族のためさ





今一度問う。
お前は何者か



ブックマン後継者。
それ以上でも以下でもない。ただただ、歴史を追い続ける者




「「そう。

俺はブックマン後継者。
現在はエクソシストの“ラビ”」」











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