イクシオン。それは伝説史上最初の専属殺人者

□Psychological Maze
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「もぉ〜何言ってんのよアレン。」



アハハッと笑ってアレンの肩を叩くライラ
照れ隠しでか、同じ様に笑うアレン



《 オレは嫉妬と言う汚い感情に気付いた 》





Psychological Maze
(心理的迷路)3






「ライラ!!何してるんさ!!」



「あっ、ラビ!」



んな笑顔アレンに見せんなよ
俺以外の奴等に見せんなよ

ライラは俺を見て、笑顔で走ってくる
その笑顔は、俺だけに向けられている

それでいいんさ

それがいいんさ



「アレンがね、変なこと言うのよ!それでねっ…えっ!?ラ、ラビ!?」



俺は今、ライラの手を握って部屋へ向かっている
苛々するさ……



…………



俺…、嫉妬、してる??
アレンに嫉妬してる…??
そうか、嫉妬してるんさ

部屋に入り、俺はドアを閉めた
そして力一杯ライラを抱き締める



「俺ちょーかっこわりぃ…」


「どうしたの??ラビ…
ラビはいつもカッコいいよ」


「ライラ…好き。大好き」



「ホントにどうしちゃったの??どこか痛いの??」



ラビはライラを強く抱き締める



「ううん。なんかちょー妬けたんですよ」



「えっ」



ラビの耳は真っ赤
でもその表情は見えない



「俺、アレンに嫉妬しちゃったんさ」



「えっ!?そ、そうなの!?」



「そうなの─」



「ごめん…」



ラビはさらに強くライラを抱き締める



「ラビ…
大好きだよ」



ラビはライラの肩を掴んで、ガバッと離れてライラを見つめる
その隻眼は大きく見開かれている

あぁ、俺、ホントにライラが好きさ
誰がなんと言おうと、ライラが



好きさ



「ライラ」



俺はそう言ってライラに抱き付いた

例え、仮初の仲間だろうと
歴史の一部にすぎなくても
隠蔽されゆく存在でも



好きさ





これだけ好きになった人は初めてで

本当に失いたくないと思った

ライラが何者でも好きさ

ライラがどんな存在になっても好きさ

だって、俺の中でライラは生き続けるから

そうすれば、誰かにお前を奪われたりもしない

ずっと俺だけのもの

でも、ライラはものじゃない

だから、俺達がずっと一緒にいれるような世界がほしいんさ



この時、オレの中には、黒く重たい感情があることに気付いた






それだけ愛してしまったんさ










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