イクシオン。それは伝説史上最初の専属殺人者

□Psychological Maze
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「リナリー!!おはようさぁ!!」



ラビは笑顔を浮かべた。



「おはよう。ラビ。」



《 オレは自分の笑顔がウソかホントかわからなくなってきた 》





Psychological Maze
(心理的迷路)1






「アレ―ン!!おはようさぁ!!」



「おはようございます。ラビ。」



「コムイ―!!リーバーはんちょ―!!おはようさぁ!!」



「「おはよう。ラビ。」」



毎朝恒例のおはようコール。
ラビは擦れ違う皆に笑顔をむける。



「ユウ―!!おはようさぁ!!」



「俺のファーストネームを口にすんじゃねぇ!!」



「ユウ、朝から怖いさぁ!!」



そして、その様子を離れたところから見るブックマン。



(わかってるさぁ、ジジィ。
そんなに睨まなくてもわかってるって。
俺達はたまたまこっち側にいてるって言いたいんだろ。)



ラビはブックマンと目で会話したあと、食堂へ足を運んだ。
途中、おはようコールを続けながら、ある特定の人物を探していた。



(俺、何時からこんなに、アイツのこと探すようになったんさぁ??)



その人物は見つからず、食堂に着いてしまい、食堂の中を探してみても、見つからなかった。



(俺、何でこんなに、アイツに会いたいんだ??)



ラビは方向を変えて、その人物の部屋に向かった。



(俺、何でこんなに、アイツを求めてるんさぁ??)



そして部屋の前に立ってノックした。
返事はない。

もう一度するが、返事はない。
ラビはポケットから鍵を出し、ドアを開けた。
中に入れば、カーテンが閉まったままで部屋は暗く、ベッドの上には、まだ大きな膨らみがあった。
ベッドの中を覗けば、茶色のフワフワの髪に埋もれた白い顔があった。

その人物特有の、深緑色の瞳は柔らかく閉じられている。



“いつから”とか“何で”とか、そんなわかりきったこと答える必要ない。



「ライラ!!起きるさぁ!!」



ラビはベッドで寝ている少女の頬をペチペチと叩いた。
少女は身動ぎしながらうっすらと瞳を開けた。
深緑色の瞳が朧気にラビを捕える。



「ラビ‥‥‥」



「おはようさぁ!!ライラ!!」



ラビは満面の笑顔を浮かべた。
先ほどとは違う、温かい笑顔。



「おはようラビ。」



ライラも笑みを浮かべた。





長く教団で過ごす間に、いつの間にか楽しいと思うようになった。

アイツらと一緒に戦うようになって、仲間の大切さを知った。

そして、楽しさと笑顔の連鎖を像づくった。

ライラと出会って背中を意識しなくなった。
--常に後ろから支えてくれたから。

ライラと一緒に戦って“守る”という意識を持った
--お前が大切だから。

ライラと過ごして温かさを感じ、自然と笑みが零れた。
--こんなの初めてだ。



そして、この笑顔がウソなのかホントなのかわからなくなってきた。






それは、お前が好きだから??










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