妄想ブック

□第三部 本当に愛するということは…
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第一話 晃の想い、剛の告白
『スキではない』あの返事を受け止めて以来、桜は落ち込んでいた。そんな桜を近くで支えてくれたのは晃だった。晃は桜に聞かなくても全て分かっていた。
『桜…。』
「晃の言う通りだった…。私、完璧にフラれちゃった…。」
『桜はさ、エライよ!オレ、剛への想いがどれだけ強いのかよく分かった。桜が一途だってことも。だからオレは桜のことスキになって良かった。オレ、これからも桜のこと支えるから。だからもう泣かないで…。』
「晃…。」
桜は思わず晃に抱きついた。晃の気持ちが何よりも嬉しかったから。そして晃も桜を優しく抱きしめた。桜の気持ちはどんどん晃の方に傾いていた。
一方の剛は…?
「あっ!発見!!」
『何や…華恵か…。』
「・・・・・?」
いつもの様子と違う剛ぬ華恵はピンッときた。
「ふーん…。その様子だと桜ちゃん振っちゃったんだ…」
『よう分かったな…。』
「あれ?否定しないんだ?」
『本当のこと否定してどうするねん…。』
「それもそっか…。桜ちゃん…傷ついただろうね。大好きだった人に振られたんだから…。」
『仕方ないやろ…。オレの気持ちはもう決まってねんから…。』
「そっか。」(それってやっぱり私だよね…?)
「桜ちゃんは知ってるの?剛に好きなコがいること。」
『言ってはないけど…知ってると思う。』
「そっか。だったら悲しいね…桜ちゃん…。」
『けど…桜には晃がおるから…。』
「?晃のこと嫌いっていってたのにどうしたの??」
『オレ思ったんや…。桜には晃みたいな奴が必要なんやないかって…。』
「ふーん。だから晃のこと認めて身を引いたんだ…。」
『あぁ。』
そういうと剛は黙ってしまった。華恵は思った。剛も自分なりに悩んで考えを出しているのだと…。
昼休み。屋上にやってきた華恵。屋上にはすでに晃と桜がいた。
『あっ!姉ちゃん!!』
華恵:「仲良く昼ご飯?」
『まぁ…そんなとこ。』
桜:「こんにちは…。」
華恵:「こんにちは。」(目がはれてる…。泣き明かしたんだ…。)
そして華恵は晃から桜を借りた。晃は了解した上でその場から離れた。
華恵:「剛から聞いた。桜ちゃんのこと振ったって…。」
桜:「・・・・。」
華恵:「桜ちゃんは、晃のことどう思ってる?ちょっと頼りないけどいい奴だとは思うよ?」
桜:「…私も晃のことはいい人だとは思ってます。支えてもらったし…。」
華恵:「そっか。」
桜:「あの…華恵さんは知ってるんですよね?剛クンの好きな人。」
華恵:「うん…確信はないけど…。」
桜:「たぶん当たってると思います。私もそう思ってますから…。」
華恵:「でも…。」
桜:「私思ったんです。剛クンはアイドルだから彼女を作ろうとはしなかった。けど自分と同じ立場に近い人が現れて同じ共感を得た。だから剛クンは恋したんじゃないかって…。」
華恵:「桜ちゃんは知ってるんだ…剛の好きな人。」
桜:「はい。最初見た時そうではないかと思いました。」
華恵:「そっか。」
桜:「だからこそ言っておきたいことがあるんです。」
華恵:「何を?」
桜:「剛クンの気持ちを本気で考えて欲しいって。私、剛クンのことが大好きだから。剛クンには幸せになって欲しいんです。」
華恵:「そう…。」
華恵は思った。こんなにも剛のことを愛してる桜が相手の幸せを考えることがとても素晴らしいと…。
そして放課後。
『華恵!!』
「!!剛?!」
『話があるんやけど…ええか?』
「う…うん。」
そして屋上へ…。
『オレ、今自分が想ってる気持ちを伝えようと思う。』
「・・・・・。」
『オレ…華恵のことがスキなんや!』
「!!」
第二話に続く…。
(次回更新日:12月22日月曜日)
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