妄想ブック

□第二部 それぞれの想い
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第一話 転校生
『友達として守ってやる』
友達として…ってどういうこと??私・桜は訳が分からないでいた。そして剛クンは言った。
『オレ、桜のこと恋愛対象としては見れないんだ…。』
「!!」(えっ…。)
『確かに大切な存在だってことは分かった。守っていきたいとも思った。けどスキっていう感情はないんだ…。』
「・・・・。」
『ゴメン…。』というと剛クンは去って行った。
そんな…私は何のために剛クンの記憶をとり戻そうとしてたの…?
私は後悔した。あのまま記憶が戻らなくて普通に恋していれば…と。桜の瞳に涙が溢れた。
『・・・・・。』(ゴメンな…桜。)
次の日。ボクと私のクラスに転校生がやって来た。
ボクのクラスにやって来たのは華恵さん。とても美人でボクは一目見て彼女に惚れた。
一方、私のクラスにやって来たのは晃クン。今時の男の子で明るい人だった…はず。私は昨日のショックであまり覚えてなかった。
しばらくして…私は剛クンが華恵さんに惚れてるのを噂で知った。私は華恵さんに会いに行った。
するとちょうど剛クンと話しているのを見かけた。
「・・・・・。」
私は言葉を失った。華恵さんと剛クンがあまりにもお似合いすぎて…。私はただその場で眺めているしか出来なかった。
そして何も知らない剛クンは積極的に彼女に話しかけていた。
『華恵!』←すでに呼び捨て
「あっ!剛。」←そしてこちらも…
『よろしくな!同じクラスの仲間として★』
「よろしく。実は私、皆には内緒にしてることがあるの。」
『えっ?何?』
「実は私、モデルの卵してるの!」
『モデル!?』
「まだ卵だからあまり雑誌とかには載ってないから普通でいられるけど…剛もアイドルしてるから話しておいても大丈夫かなと思って…。」
『そうなんや。お互い頑張ろうな!』
「はい。」
こうして二人は仲良くなった。ボクはとても嬉しかった♪
「・・・・。」
とても複雑な私。
そして教室でため息の減らない私に隣の晃が声をかけてきた。
『どうかしたの?』
「ん?」(あっ!転校生…。)
「別に…何でもない。」
『ふーん。そういえばまだ自己紹介してなかったけどオレ、晃っていいます!よろしく。』
「よろしく…。」(明るいコだなぁ〜)
しばらくすると、晃はクラス一の人気者になった。明るさと親しみやすさが認められたのだ。それから晃は人気急上昇し、第二のアイドルとまで呼ばれるようになっていた。
『ボクが第二?じゃあ第一は誰?』
「知らないの?三年生のクラスにアイドルの剛クンがいるのを!」
『あぁ。あの人気アイドル。』
「・・・・?」(なんかうかない顔…)
『けどさ、ボクが第二っておかしくない?やっぱり第一でしょ!』
「そう?私は剛クンの方が第一だと思うけど。」
『ふーん…。桜ちゃん、剛って人に惚れてるでしょ?』
「!!」かあぁぁぁ…
頬が赤くなる桜。
『図星か。』
「…誰にも言わないでよね!!」
『分かってるって!けどさ、剛に惚れるなんて相当物好きだね。』
「何よ!どういう意味!?」
『別に。』
「なんか…ムカつく…!!」
『♪』
こうして新たな章に幕は上がった。
(次回更新日:12月6日土曜日)
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