anoter
□つまり
1ページ/1ページ
夜になる度、君は居ないと知っているのに君の影を探してしまう。
女々しく、毎晩戸を少し開けて寝たりしているのは、きっと拘束されているから。
君は会いに来るたびに一つずつ重い錠を掛けて行く。
だんだん重くなる身体を拘束し続ける君は自由だ。
見せつけに来るのだ、それを。
(たまに君を殺したくなる時が或る)
動けなくなるまでにして自分の手元に置いて置こうとする非道な君はいつかさされて死ぬね。
否、もう死んでいるも同然、君も、私も。
だから君はこうしてしがみついてるんだ、私に。
だからしがみつかせてやってるんだ。
空しい慰めはもう厭きたから早く。
つまり私は君が好きなのさ。
*